見えない月に
今日は一日中雨が降っている。
ビルの谷間に時折吹き抜ける風。私は、自分の華奢な傘が風に持っていかれそうになるのを必死につかんだ。
あの子はどうしているだろう。ふと頭によぎる。あの子が突然の事故で会社に来なくなってから、既に半年以上が過ぎた。
数年前、あの子が旅行に行ったお土産にとパイン味のちんすこうを配ってくれたのが懐かしい。あの子が会社にお土産を買ってくるなんて意外だった。情のある子なんだ。。
戻ってこれるんだろうか。
せめて声が聴きたい、そう思った。
あの日から気持ちは止まったままだ。
明日も明後日も、続く限り、私は待っている。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。